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時事情報&福利厚生NEWS

2012.10

改正高齢者雇用安定法 ~定年後の再雇用を今一度考える~

先の国会では、高齢者雇用安定法が改正され、定年退職後の継続雇用制度の対象者を労使協定で限定できる仕組みが、廃止となりました。実はこの廃止は、企業にとって非常に重要な意味を持ち、再雇用を希望する社員は、全員雇用することが義務となったのです。施行は平成25年の4月からです。後5カ月しかありません。
そこで企業としてはどのような準備をするべきかお話しします。

平成18年の改正高齢者雇用安定法

平成18年の改正で
(1)定年の引き上げ
(2)継続雇用制度の導入
(3)定年の定めの廃止
いずれかの措置を会社の制度として導入する義務がありましたが、ほとんどの会社は(2)の制度を採用し、労使協定で再雇用の希望者を全員雇用しない制度も可能でした。

平成24年の改正高齢者雇用安定法

改正の結果、継続雇用制度を導入している会社は、65歳になるまでは希望する社員を全員再雇用しなければならなくなりました。これからは能力に問題がある社員でも、希望すれば雇用せざるを得なくなり、会社にとっては人件費の負担が重くのしかかってきます。

継続雇用制度の例外

高齢者雇用安定法が改正されましたが、実は継続雇用の義務にも例外があります。
「心身の故障のため、業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱い」に関しては別途厚生労働省の指針で示されることになっているのです。

この指針はまだ公表されていませんが、概要としては「心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き社員としての職責を果たし得ないこと等、就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当する場合には、継続雇用しないことができる」としています。

すぐにでも就業規則の見直しを

上記のような継続雇用の例外は、就業規則に定める必要があります。また、就業規則の解雇や退職の規程とは別に、継続雇用しないことができる事由として、定めなければなりません。そうすることによって、継続雇用しない社員を決定することができます。ただし、この事由は、今までの継続雇用の選別基準に比べて、かなり厳しい内容が求められていますので注意が必要です。

とにかく65歳になるまでの再雇用の義務化まであと5カ月。まずはいろいろ情報を集めて、就業規則に新しく継続雇用の規程を設けてください。そうしなければ、希望者を全員雇用しなければならなくなります。
11月に発表される厚生労働省の「継続雇用制度に関する指針」には大注目です。

執筆:社会保険労務士/ファイナンシャル・プランナー
産業カウンセラー/キャリアコンサルタント(CDA)
菅田 芳恵

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